これらは、今のうちにしっかりとみておきたい「3大婦人科疾患」です。
過多月経の原因となる主な子宮の病気としても有名な3大女性疾患です。
それぞれに、適切な診察と治療方法があります。検診などで指摘された方や、自分もそうかもしれないと感じられる方、手術の後の経過をみたい方など、お気軽にご受診くださいませ。
子宮は、平滑筋という丈夫な筋肉でできています。
筋腫は、子宮の筋肉内にできるコブのような良性腫瘍です。筋腫の大きさは、1cm以内の小さいものから15cm以上の大きなものまで様々です。
手術で摘出した筋腫は、まさに弾力性のある「つくね」です。
筋腫は、できている位置や大きさや数によって症状が変わります。
子宮の内側(内膜)に近い位置にできる「粘膜下筋腫」をもっている人は、経血量が多く、不正出血や月経痛、時には不妊の原因にもなります。
一方、10cm以上の大きな筋腫でも子宮の外側にできている「漿膜下筋腫」を持っている人は筋腫の大きさに関係なく、症状がない場合もあり、診察で初めて気づくこともあります。ただ筋腫が大きいと膀胱が圧迫されて頻尿になる方や腹部膨満感がある方も多いです。
筋腫は女性ホルモンがエサとなって少しずつ育ってしまいます。なので、「生理があるうち=女性ホルモンがでているあいだ」は、大きくなる可能性があります。そして閉経とともに、筋腫は縮小化していきます。
腺筋症は、子宮内膜の組織が子宮筋層に入り込み、子宮が人一倍ぷっくりと大きくなっています。生理のたびに、女性ホルモンの影響を受けて内膜成分が増殖し、どんどんと子宮の筋層が分厚くなっていきます。
腺筋症があると、生理のたびに生理痛がひどくなっていく人もいます。
ずっと貧血に悩まされる方もいるので、月経量がどんどん増える方は治療されることをおすすめします。
内膜症は、子宮の内側の内膜成分が、子宮の外に広がる病気です。
子宮の外とは、つまり、子宮の周辺にある大腸や小腸、卵巣やお腹全体をまとう膜(腹膜)などです。あちこちに広がった内膜成分が、生理のたびに出血や痛みをきたし、いろんな臓器をベットリくっつけてしまうのです。これを(癒着)といいます。
また、内膜症で有名なのが「チョコレートのう胞」です。諸説ありますが、生理の経血が子宮から卵巣に逆流して卵巣内に血溜まりができると言われています。内膜成分が卵巣内に発生して卵巣内に血溜まりが出来る説もあります。
内膜症は生理痛の増悪で発見されることが多いですが、筋腫や腺筋症に併発されることが多く、生理痛を放置することで、知らず知らず内膜症が増悪しているケースもめずらしくありません。
治療は手術だけではありません
婦人科疾患の治療は、なにも手術だけではありません。今はいろんな内服薬による治療方法があります。症状や病態に応じた適切な治療の選択肢を患者様と一緒に相談しながら、継続的に治療させていただきます。