検査の内容と説明
ホルモン基礎値
- FSH
(卵胞刺激ホルモン)
- 卵巣に存在する卵胞を刺激して発育を促します。
卵胞が発育して卵が成熟し、同時にE2(卵胞ホルモン)も増量します。
- 基準値
- 卵胞期 3.0~14.7
排卵期 3.2~16.6
黄体期 1.5~8.5
閉経期 157.8以下 (mIU/mL)
- LH
(黄体形成ホルモン)
- 成熟した卵胞に排卵を促し、排卵後の卵胞に対して黄体化を促す作用があります。
黄体化により妊娠維持に必要なホルモンである黄体ホルモンが分泌されます。
卵胞発育に対してはFSHの補助的役割を担います。
- 基準値
- 卵胞期 1.8~10.2
排卵期 2.2~88.3
黄体期 1.1~14.2
閉経期 5.7~64.3 (mIU/mL)
- E2(エストラジオール、エストロゲン、卵胞ホルモン)
- 子宮内膜を厚くし頚管粘液を分泌させ排卵後の卵子輸送や着床の基盤作りを行います。
- 基準値
- 卵胞期 19~226
排卵期 49~487
黄体期 78~252
閉経期 39以下 (pg/mL)
- PRL(プロラクチン)
- 脳下垂体から分泌されるホルモンで、乳汁分泌や生殖機能に関与してます。高いプロラクチンレベルは、月経異常、不妊、乳汁分泌などの問題を引き起こす可能性があります。
- 基準値
- 閉経前 4.91~29.32
閉経後 3.12~15.39 (ng/ml)
- テストステロン
- 女性の体内でも、卵巣や副腎皮質などで産生されます。テストステロンが異常に高くなると、多毛症(体毛の増加)、ニキビ、生理不順、不妊、男性化の症状などが、現れることがあります。
- 基準値
- 0.11~0.47 (ng/ml)
甲状腺ホルモン
甲状腺の機能には、不妊に影響を及ぼす可能性があります。甲状腺機能亢進症(過活動甲状腺)や甲状腺機能低下症(低活動甲状腺)など、甲状腺の異常が生殖機能に影響を与えることがあります。
- THS
- 基準値
- 0.500~5.000 (uIU/ml)
- FT3
- 基準値
- 2.30~4.30(pg/ml)
- FT4
- 基準値
- 0.90~1.70(ng/dl)
AMH(抗ミュラー管ホルモン)とは
女性特有のホルモンです。
卵巣の中にある、これから育っていく卵胞(発育卵胞・前胞状卵胞)の顆粒膜細胞から分泌されると考えられており、卵巣機能評価の指標として注目されています。AMH値が高いと卵巣内にこれから育つ卵胞がたくさんあると考えられ、AMH値が低いとこれから育つ卵胞が少なくなっていると考えられます。
値が低いからといって、妊娠できないということではありません。卵巣機能を知ることにより、適切な治療法を決めることができます。
- 検査方法
- 採血を行います。AMHは月経周期の影響を受けないので、いつでも採血することができます。
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基準(ng/mL) |
非常に高いレベル |
>6.8 |
最適なレベル |
4.0~6.8 |
満足なレベル |
2.2~4.0 |
低いレベル |
0.3~2.2 |
とても低いレベル |
0.0~0.3 |
卵管造影検査(HSG)とは
子宮の入り口から管を入れて、造影剤を子宮内から卵管へ流し込み、子宮内の状態と両側の卵管の通りや卵管からお腹への拡がりを見る検査です。
卵管は非常に細く超音波ではほとんど見ることができませんが、造影剤はレントゲンで白く光るため卵管が通っているかがわかります。
卵管造影検査は痛みが少ない為、麻酔も必要ありません。検査は20分程度で終わります。
- 費用
- 10,000円
子宮鏡検査(ヒステロ)とは
子宮の中に細いカメラをいれて、子宮の内部を直接観察するものです。
超音波検査などで、子宮内部の筋腫やポリープが疑われる場合や、原因不明不妊の場合などに行います。
子宮鏡検査は痛みが少ない為、麻酔も必要ありません。検査は15分程度で終わります。
- 費用
- 20,000円